— Notes
余白について
余白について意識するようになったのは、コードのデプロイ後の数分間がきっかけだった。リリースボタンを押すと、ログが流れていく。その間は何もできない。次の作業を始める気にもなれず、ただ画面を眺めていた。そのとき気づいたのは、自分がいつもそのすきまを埋めようとしていたということだ。通知を確認したり、別のタブを開いたり。待つことに、落ち着かなさを感じていた。
意識的にそのすきまをそのままにしてみると、少しだけ景色が変わった。直前にやっていたことを振り返る余裕が生まれ、何がうまくいって何が引っかかっていたかを、自然に整理できるようになった。急がなくていい時間が、思ったよりあったのだと知った。
速くなることで失われるのは、おそらくこういう時間だと思う。タスクが終わった瞬間に次が来て、完了したことを咀嚼する前に次の問題に入っていく。達成感が処理されないまま積み重なって、気づくと何のために動いているかがぼんやりしてくる。
余白は、休むための時間ではなく、自分を取り戻すための通路だと思っている。何をするかを自分で選べる、細いすきまがあること。それだけで、仕事と日常の感触が少し変わる気がする。